ここでいちいち「緊急時被ばく状況」や「現存被ばく状況」の説明をしても仕方がないので、要点に絞ってまとめます。
「現存被ばく状況」は避難解除の指標ではない
「現存被ばく状況」では事故による放射性物質が残存する状態で、生活しつつも除染などの放射線防護措置をとり、最終的には年間1ミリシーベルトにまで低減させることを ICRP は勧告しています。よって、「現存被ばくを避難解除の考え方に使う」という表現はミスリードというかおかしいです。
重ねていうと、日本政府もICRPも「年間20ミリシーベルトなら住んでもよい」と言っているわけではありません。住民の帰還後も長期的な対策を積み重ねて放射線防護措置を行うことを前提としています。「参考レベル」はその時々で防護活動を行うための目安であり、段階的に引き下げられます。「”安全”と”危険”の境界を表したり、あるいは個人の健康リスクに関連した段階的変化を反映するものではない」ため、これは避難解除の考え方には使っていません。避難解除はあくまで「年間被ばく線量が 20ミリシーベルト以下となることが確実であることが確認された地域」。混同されているのはどちらでしょうか。
5)ここで重要なのは、2011年の原発事故発災時の避難基準は「緊急時被ばく」の【20~100mSv/y】の最小の値なのですが、避難解除は「現存被ばく」の【1~20mSv/y】の最大の値なのです。同じ20mSv/yでも意味が違うのです!!最大の値が避難解除の値となったのです。
— おしどりマコ (@makomelo) October 26, 2018
6)ICRP2007年勧告の、「緊急時被ばく」ではなく、「現存被ばく」を避難解除の考え方に使っているのです。 https://t.co/7hEXW3z1NX pic.twitter.com/oTVZj3K8WD
— おしどりマコ (@makomelo) October 26, 2018
というかそもそも帰宅困難区域外で年間20ミリシーベルトどころか、年間1〜3ミリシーベルト被曝するのも稀だと思うのですが……今日のところはここまで。もう午前4時だし…
平成29年度個人線量計(ガラスバッジ)の測定結果がまとまりました(平成30年3月1日更新) - 福島市