まもなく東京都知事選の公示日だが、脱原発を争点にしたい勢力が「脱原発候補」の一本化を試み、失敗している。まあ、一本化と言っても宇都宮陣営と細川・小泉陣営、どちらかに降りろと言うだけなのだが。
都知事選、脱原発派の一本化断念 市民団体有志は細川氏:朝日新聞デジタル
23日告示の東京都知事選で、脱原発の主張が重なる日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児氏(67)と元首相の細川護熙氏(76)に一本化を求めていた市民団体のグループは20日、一本化を断念した。両陣営に協議を求めたが、実現しなかったという。このうち代表者ら31人は、細川氏を支持する声明を出した。
両陣営の共通点は脱原発しかなく、そもそもこの脱原発さえも似て非なるのだから、合流しないのも肯ける。何が違うかと言えばイデオロギーであり、脱原発宣言をした小泉氏に接近した社民党よりは筋が通っていると見るべきか、大同の為には小異を棄てろよと野次るべきか。彼らにとって既に脱原発は小異と化している。
名護市長選挙では仲良く現職を応援していた人達も、明日以降はどちらに付くかが見物である。流石に山本太郎が細川・小泉陣営を応援するとは思わないが、彼と親交の深い三宅洋平氏が宇都宮派、彼とDVDを出し集会にも共に参加する仲の広瀬隆氏や文化人グループが細川・小泉派に付き、ある意味面白い展開となりつつある。
さて、一般に脱原発より重要度の高いとされる東京五輪についてだが、なんと両陣営とも開催容認派である。前回「他にお金を使うべきところがある」として見直しを表明していた宇都宮氏でさえコンパクトな五輪として容認し、辞退すべきとしていた細川氏ですら「東北でマラソンを」と転向しているようだ。ただ一人、五輪決議に反対した山本太郎(と彼の熱狂的支持者)がどうするのかが気になるところだが、宇都宮陣営でも細川・小泉陣営でもない、第3の道ともいえる候補が存在する!
それは、鈴木達夫氏。
彼の政策は「即時脱原発・東京五輪返上」と田中龍作も納得のものである。
闘う弁護士・鈴木たつおさんが東京都知事選に出馬表明! - Sokuhou
①戦争・改憲と人権侵害の安倍政権を倒そう! ②すべての原発いますぐなくそう! ③労働者の団結を破壊する民営化・非正規職化反対、過労死を許さない! ④都民の生活と労働者の権利を破壊するオリンピックはやらない! ⑤盗聴の拡大と労働者民衆に対する弾圧体制に反対!
鈴木氏の支持団体であるNAZENと山本太郎は親交があり、彼が中核派組織の候補を応援することはなんら不思議ではない。今から一本化は難しいかもしれないが、脱原発・東京五輪返上実現を目指すのであれば、ここはひとつ鈴木氏を都知事にすべきではなかろうか。