れいわ新選組は結党時の政策の一つに「動物愛護」を掲げ、特に動物福祉に言及したことにも注目が集まった。党のロゴにも肉球があしらわれており、山本太郎代表の思い入れが強い政策であるとも言える。
一方で、2021年衆院選時の「れいわニューディールマニフェスト」では、参院選のものから唯一更新のなかった政策でもある。
当記事では、山本太郎代表と「動物愛護」にまつわる出来事についてまとめる。
動物愛護法改正案を棄権(2019)
2019年6月12日、山本太郎氏(当時参議院議員)は動物愛護法改正案(動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案)を棄権した。理由は公表されていない。
しかし、山本太郎氏は動物愛護団体からの陳情を紹介していたほか、「犬猫殺処分ゼロ動物愛護議員連盟」にも参加していた。
「動物愛護」政策ヒアリング元から選挙活動に非難(2019)
2019年参院選において、比例代表候補だった安冨歩氏(離党済み)は銀座など都内で馬を使用した選挙運動を展開した。安冨氏は「馬に頼って社会を立て直そう」という独自の主張のもとで馬を使用したが、3つの動物愛護団体から抗議を受けた。
この際に、れいわ新選組の「動物愛護」政策はこの抗議を行った団体が山本太郎事務所からの相談を受け、要望したものだったことが判明した。
どこの団体からも何も?
— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) 2019年7月11日
山本太郎秘書の携帯に、馬を使った街宣を即刻止めるよう伝えました。伝わっていないのでしょうか。
馬街宣中止を求めているのは当会だけではなく、動物愛護法改正で自由党ヒアリング(山本太郎氏もいた)に呼ばれた3団体すべてがそうです。他の団体の幹部も批判しています。 https://t.co/EwVO4AJyHL
そもそも山本太郎事務所からマニュフェストに載せる動物福祉政策について相談を受け、実験動物・畜産動物について基本政策をいれてほしいと要望したのも私たち。
— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) 2019年7月11日
山本太郎個人の政策かと思っていましたが、その後、新党のためのマニュフェストだったと知り、その事について連絡もなく、(続く)
そんなものなのか?と思っていたところに、今回の生きた馬をレンタルして利用する馬街宣をする候補者。
— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) 2019年7月11日
どこまで本気でマニュフェストが練られ、候補者に伝えられているのか、正直疑問です。
要望をして採用をされた責任を団体として感じますので、経緯はお知らせしておきたいと思います。
動物園・水族館の廃止が理想(2020)
2020年8月12日、山本太郎代表は配信動画「B2サンデー初回スペシャル!山本太郎代表への質問〜ダークサイド編〜」の中で、支持者から動物園や水族館についての質問を受けた。山本代表は「なくなるのが本当の動物愛護」と回答し、そのため(修学旅行で外国の自然公園に行くなど)には国が大規模な財政出動をすることが必要だと主張した。
究極はね、動物園っていうものは良くないと思ってます、私。はっきり言っちゃえば。
行きましたよ、ちっちゃい頃から、大人になってもね。いきましたよ。でもやっぱり、動物にとってはこんな不条理ありえない話ですよね?
そういう意味でそういうものがなくなるっていうのが本当の動物愛護であろうな、という風に思います。
じゃあ、そういうような生態を子どもたち、がどうやって知っていくのか。 例えばライオン見たことない子供たちがどういう場でライオンを見れるのかというですけど、これはあくまでも先の話ですよ? 私修学旅行っていうんだったら、 アフリカの国立公園に連れて行くぐらいの規模感、ほしいなと思うんですよね。
これ実現するかどうか分からないけど私は実現したいと思ってるんですけどね。例えばの話ですよ?
子供の時にそういう、まったく知らない国に行って、そういうような動物の本当の大きな国立公園とかでも生態を見れるような状況、こういうものを本当に目にしたときにやっぱり人生に大きな、何か影響を与えると思うんですよね。
まあ究極そうぐらいまでできるようになったとしたら、この動物園であったりとか、っていうものはなくしていこうというような話をしていけるのかなと思うんですけど、
どうするんだそんな金って話ですけれども、金出しゃいいんですよ、国が。刷りゃあいいんですよ金を、っていう話ですね。はい、すいません。すごく雑な回答で申し訳ございません、でも自分の中ではそう思ってます。
修学旅行っていうぐらいだったら、それくらい人生観大きく変えるぐらいのね、何か一生の想い出にできるぐらいの、なんかそういうような取り組みが教育の中で行えたらいいのにな、という風に真剣に思っています。
なお、2020年東京都知事選挙において山本太郎氏は殺処分ゼロや生体販売禁止等を公約に掲げたが、国内有数の動物園である上野動物園を始めとした都内動物園や水族館についての言及はなかった。